病院のご案内

超高齢社会に対する我が国の取り組みは、世界で初めての試みと言えるでしょう。住み慣れた場所で出来るだけ永く過ごすことを基本として、国民一人ひとりのさまざまな人生観に対応することが社会的なテーマです。永く健やかに過ごすことを支援し、何かあった場合は適切な医療が居住地近くで受けられ、必要に応じて在宅医療や介護の提供で自立した生活をサポートする。社会保障として国民すべてに適用される制度と医療福祉サービスが求められます。
首都東京においては、多くの医療機関が存立することで、さまざまな地域医療連携の形態が実現できるはずです。地域から求められる医療が何かを客観的に判断し、自法人の医療資源を社会的共通資本として提供することが肝要です。
一方で、新型コロナウィルス感染症（COVID-19）のパンデミックは、医療が有限であることを国民の目にさらしました。そのうえで、医療の実質も問われることになっています。医療技術の高度化と食生活の改善により、感染症への取り組みが希薄になって久しかったところ、政府は今一度感染症との闘いを認識し、地域医療構想に付け加える方針です。感染症のパンデミックを災害と捉え、大規模震災などへの対策も併せた準備を再認識しなければなりません。

医療法人財団興和会は、このような時代の局面に際し、予防医療の提供、救急の受入れから治療、居宅復帰に向けたリハビリテーション、在宅医療とその後方支援を担うことを目指す保健医療サービスの事業体です。
右田病院においては感染症や大規模震災への対応も、理念に掲げる「地域のホームホスピタル」として、地域に求められる医療を自助努力と地域連携で果たす所存です。その一環として、COVID-19患者等の受け入れ病院に参画しています。中小規模の病院で新興感染症の受け入れをするためには、感染対策上相応のリスクを抱え、相応のスペースを必要とするために、病院の半分の機能を感染病棟化しています。よって、一般の患者さんの受け入れに支障を来してしまい、多方面でご迷惑をおかけしました。それでも時々の要望に対応したと申せましょう。
八王子市本町のみぎたクリニックは、女性特有のがん検診を主体に創設しましたが、その指針と機能を維持しながら、今後は永く健康に働ける生活支援を目指す所存です。八王子市には、多くの中小企業が存立して産業基盤を支えています。生産年齢層の減少に伴う働き手の不足を補完するためにも、65歳以上でも勤められる社会となるよう、お勤めなさる社員の皆さんの健康支援に努めていく所存です。

「困っている人を助け、寄り添う」を信念とし、「人に向き合い、地域に向き合う」の心構えで、「何かあったら右田さん」と言われ続けた100年の歴史を振り返り、今後は医療機関も地域活動に一層参画してまいります。